松栄塾公式ブログ「老境の武道」
- 榮一 重松
- 6月7日
- 読了時間: 1分
未だ木鶏たりえず
69連勝という前人未到の記録を打ち立てた大横綱双葉山。
その双葉山が晩年まで座右の銘としていた言葉がある。
「未だ木鶏たりえず」
木鶏とは、どれほど挑発されても動じない境地を指す。
若い頃の私は、強さとは相手を倒すことだと思っていた。
試合に勝ち、相手を圧倒し、称賛を受けることが強さだと信じていた。
しかし六十五歳になった今、違う景色が見える。
怒りに流されないこと。
焦らないこと。
驕らないこと。
そして、どれほど経験を積んでも自分を未熟だと思えること。
本当の強さとは、他人に勝つことではなく、自分を制することなのだろう。
双葉山ほどの大横綱ですら、
「私はまだ木鶏になれていない」
と言い続けた。
老境とは衰えではない。
未熟を知り、さらに学び続ける時間である。
私もまた、
未だ木鶏たりえず。
だからこそ今日も稽古を続ける。



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