【次回】「人生は後半戦からが面白い」~七十歳の自分へ送る手紙~
- 榮一 重松
- 6月7日
- 読了時間: 2分
七十歳の私へ。
今、この手紙を書いている私は六十五歳です。
あと五年。
長いようで短い時間です。
その頃の私はどんな顔をしているでしょうか。
道場には立っていますか。
子供達に怒ったり笑ったりしていますか。
相変わらず膝をさすりながら歩いているのでしょうか。
それとも今より少し元気になっているのでしょうか。
正直に言えば、
若い頃、七十歳になる自分など想像したこともありませんでした。
四十代の頃は世界一になることばかり考えていました。
五十歳で脳梗塞になった時は、
人生が終わるかもしれないと思いました。
六十歳で肝細胞癌になり、
余命半年と言われた時には、
七十歳どころか来年の桜も見られないかもしれないと思いました。
しかし私は今、
こうして生きています。
不思議なものです。
人生は思い通りにならない。
だが思いもよらない奇跡を用意してくれる。
だから七十歳の私へ伝えたい。
どうか年齢を言い訳にしないでください。
どうか夢を捨てないでください。
どうか好奇心を失わないでください。
身体は老いても、
魂まで老いてはいけません。
もし道場に立っているなら、
初心者の白帯を大切にしてください。
もし民生委員を続けているなら、
困っている人の話を最後まで聞いてあげてください。
もし保護司を続けているなら、
人生をやり直そうとする若者を信じてあげてください。
そして何より、
自分自身を大切にしてください。
あなたは十分に戦ってきました。
十分に苦しみました。
十分に頑張りました。
だから残された人生は、
もっと笑っていい。
もっと楽しんでいい。
もっと幸せになっていい。
私は最近ようやく気付きました。
人生は若い頃が本番ではない。
後半戦こそ面白い。
若い頃は未来を追いかける。
老境では人生を味わう。
同じ景色を見ても、
同じ桜を見ても、
同じ夕焼けを見ても、
その美しさが分かるようになる。
それが年齢を重ねるということなのだろう。
七十歳の私へ。
もしこの手紙を思い出したなら、
空を見上げてください。
そして笑ってください。
六十五歳の私は、
七十歳のあなたが元気に笑っていることを信じています。
人生はまだ終わっていません。
むしろ、
ここからが一番面白いのですから。



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